唐木仏壇の各部分の名前
唐木仏壇の材料
黒檀
インドネシアのスラウェシ島で産出されるものがもっとも有名です。
本黒檀、縞黒檀、青黒檀などがありますが、仏壇の材料としては、縞黒檀がもっとも用いられています。
黒地に美しい木目が浮き出た、仏壇の材料としては最高級の材木です。極めて硬く、耐久性に優れ、虫や菌に侵されにくい上、乾燥性がよいという特徴もあります。
紫檀
黒檀とならんで、仏壇の材料としては最高級品の材木です。
硬い木質ですが、木肌は緻密なのが特徴で、「紫」というより、どちらかといえば「赤茶」色をしています。
正倉院御物の唐木細工のなかではもっとも多く見られ、古くから珍重されていました。
本紫檀、手違紫檀、ローズウッド、パーロッサなどが紫檀として使われています。
欅(ケヤキ)
ケヤキは寿命も長く、その気高く雄々しい樹形は、生命力を感じさせます。
材は、堅く重く、色合いも黄色味をおびた美しいオレンジ色をしています。また、杢目の豪快さが美しい仙台箪笥やお椀、お盆などの器類、建築では大黒柱や装飾材として使われています。
またお腹の芯にまで響き渡る、あの和太鼓の重低音も、このケヤキだからこそ出せるのです。
鉄刀木
木目の美しい木材で、やはり古来より銘木とされてきました。飛白形、雲門形、矢箸形、いわゆるタガヤサン杢を示し、広く知られた木です。
この表面近くは淡黄白色をしているが、芯のほうでは紫黒色、黒褐色をしています。
仏壇につかうときには、薬品で色抜きをして、明るい色調に仕上げます。
腐食に強い木なので、長く続くという願いを適えるシンボルとして、床柱にもするといわれています。
シャム柿
中南米から中央アメリカに分布する木で余り大きくなりません。
色は黒檀に似ています。柾目に縞が入りバブル模様を描きます。
均一木質でなく交差木目が特徴で、削り仕上がり面は美しく、ツキ板加工によく耐えます。
タモ
タモはトネリコ属に入り、この属には、大別してシオジ類とトネリコ類に分けられます。
軽い割に強い性質が貴重がられてホッケーなどのスティックにも使われています。が、何と言っても一番有名なのは野球のバットでしょう。
また、家具材としても使われ、ジオ・ポンティがデザインした超軽量椅子などがあります。
栓
分布は北海道から九州まで広がっていますが、とりわけ東北から北海道に多く見られます。材は、比較的軽く、堅すぎず軟らかすぎず、加工のしやすい木です。
色は白くて美しく、板目は明瞭でりりしい杢目をしています。
扱いやすく、見た目も美しいことから、箪笥などの家具や、お盆や菓子器などの器類と生活の中で使われてきました。
工法の種類
- 極上唐木細工
(ヒモ浮き出し面隅丸) - 大阪唐木細工
(ヒモ面) - 東京唐木細工
(マル面)
大戸軸の断面図
お仏壇に使われる材料は天然の素材ですので、反ったりすることもありえますので、違った材料を心材として、その周辺に唐木材料を張り付けることによって、反りなどを防ぐ工法がなされます。
練り製品では、6~7mmの厚さの唐木が施されています。
張り製品の場合は、紙くらいの厚さに加工されたものが使われます。
四方ネリ
緑の部分が心材で、薄茶色の部分が唐木材です。表・裏それから右側・左側面と四方から唐木が施されています。
三方ネリ
緑の部分が心材で、薄茶色の部分が唐木材です。表と裏、側面と三方から唐木が施されています。
二方ネリ
緑の部分が心材で、薄茶色の部分が唐木材です。
表と裏と二方から唐木が施されています。
片面ネリ
緑の部分が心材で、薄茶色の部分が唐木材です。
総ハリ
緑の部分が心材で、薄茶色の部分が唐木材です。
紙くらいの厚さに加工された唐木材(突き板)が施されています。
通称サクラ製品
このように、どれだけ天然の唐木を使用しているかが、お仏壇の価値を左右しています。